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日本的経営の功罪

2016-05-30冷海荣

俪人·教师版 2016年16期
关键词:会社年数技術

冷海荣

戦争のもたらした「特需景気」に活気を取り戻した日本経済は、当時の西ドイツ経済の「奇跡の復興」にも劣らぬ速さで回復を遂げた。不況から好況へ、そして高度成長へと日本経済がダイナミックに変動するなかで、それまで見捨てられていた日本企業の雇用慣行やマネジメント?システムが改めて「日本的経営」として評価され始めた。

知っている通り、日本的経営システムが年功序列制度と終身雇用制度、企業別労働組合制度によって成り立っていた。いわば、日本的経営の三種の神器と言う。年功序列制度は学歴と経験年数で初任給が決まり、以後の昇進も秩序づけによって行う。終身雇用制度は定年制度ともいい、労働者の定着率が高いことを示している。また、企業別労働組合制度は労使間における問題の結着は当該企業別ないし企業内でされることを意味し、企業維持がなければ労使共倒れとなる。労使はつねに「同じ土俵の上にいる」ことを認識する。経営者における「不解雇の原則」と労働者における「ストライキなしの原則」によって労使協調がはかられている。

終身雇用制度とは、形式的に定義すれば、正規の従業員として採用された場合、経営上の大きな困難と従業員の大きな不手際がないかぎり、定年まで雇用するという慣行がある。企業側に雇用継続を強いる制度であり、働く側にも、できるかぎり長い勤続が期待される。統計的にみても、日本がアメリカやドイツなどよりも長期の雇用を行っているというデータはある。

いつごろ終身雇用制度が成立したかについては定説はないが、それを生み出すきっかけとなったのは、技能や技術をもった人々を企業に残ってもらいたいという狙いであった。終身雇用のもとでは、技術や技能をもった人々が企業に残ってくれるので、企業側も技術や技能をつけるための投資を安心して行うことができるのである。また、働く側も安心してその企業で必要になる技術や技能を身につけることができる。いつ首になるか分からない不安があれば、他の会社でも役立つ技能しか身につけてもらえないのである。

もちろん、日本でもこの慣行に従わない雇用関係はある。このような慣行に従おうと思っても従えない場合もある。競争社会の企業であるかぎり、これを守り抜くのは実に難しい。それにもかかわらず、日本企業とりわけ大企業の間では、従業員を長期にわたって雇用するという慣行が生み出されてきたし、それが望ましい慣行であるという価値観はあった。

終身雇用制度と密接に関連しているのが年功序列制度である。年功序列制度は賃金と昇進という二つの面がある。賃金の面からみると年功序列制度は年齢(勤続年数)に応じて、賃金が上がっていくことである。一定の年齢まで賃金が上昇するという傾向は日本だけではなく、多くの国に見られる。人々の技術や技能の熟練が高まってくるとともに、ある年齢までは労働力としての価値も高いと認識される。日本ではこの認識がもっとも目立っている。ただし、勤続年数が増えれば、だれでも一律に賃金が増えるわけではない。毎年、評価が行われ、少しずつ差がでてくる。実力や貢献の評価が加味されている。

年功序列制度のもう一つの面は昇進にかかわる制度である。ここにも、勤続年数を重視しようとする考え方がある。勤続年数が長くなれば、だれでも昇進するわけではないが、実力や実績が考慮されることが多い。しかし、実力や実績を考慮される場合でも、同じ職場では年齢の逆転をできるかぎり避けようとしたり、仕事の実質的権限は若くても実力のある人がもつように工夫しながら、賃金や地位といった表面の制度では年功序列制度を守ろうとすることが多いようである。また、地位を与えることが難しい場合には、資格というかたちで年功序列制度を守るという工夫も行われている。こうした工夫によって、仕事の効率の維持と人間関係の調和を両立させようとしている。このような制度の背景には、長幼の序を重んじようとする日本的な価値観が隠されている。

日本の企業の多くでは、管理者をのぞく従業員のみんなが一つの組合に加盟している。日本航空のような複数の組合が存在するケースもあるが、それは希である。このような組合制度は企業別組合と呼ばれる。イギリスの職種別組合制度、アメリカの企業横断的な組合制度と明らかに異なっている。日本的経営の企業別労働組合制度は終身雇用制度と密接に結びついている。

企業別労働組合という労使関係制度は重要な特徴をもっている。第一は、仕事の種類に関係なく、企業を単位として労働者が組織されるということである。第二は、この組合が会社側と労働交渉をする主体となることである。連合のような上部労働団体や産業別の労働組合連合も存在するが、これらの組織は、基本的には交渉の当事者ではない。アメリカなどの企業横断的な組合では、労使交渉は上部団体に大きく依存している。また、イギリスのような職種別組合でも、労使交渉は企業の枠にとらわれない組合と企業との間で行われる。

企業別労働組合であれば、労働組合は企業の将来の発展を考慮しなければならない。企業横断的な組合よりも、労使の協力の体制が作りやすいのである。それだけに、労働組合はより弱い立場におかれているといえるかもしれない。

以上、日本的経営の特質が日本経済の高度成長期において、大きな効果を発揮してきた。山本政一教授の著書「日本的経営の改革」の中で、日本的経営の功績について次のように述べられている。「最近、よく耳にする欧米型能力主義は日本の高度成長経済段階では、いわば人手不足の経済となるものであり、豊富な労働力の確保と定着がなければならないのである。そのために欧米型契約社会にみられるような労働力の容易な移動は企業経営にとって好ましいことではない。したがって、年功序列制度に基づく日本的経営の効果は、高度成長経済の継続ということによって、よく発揮できたものであって、もっといえば結果的に第二次大戦後のアジアにおける二つの戦争(朝鮮戦争とベトナム戦争)を契機として日本経済の復興に力を貸した「アメリカの後押し」によって日本経済の復興と目覚しい高度成長が達成されたといっても過言ではない。」

長所と短所は表裏一体である。日本的経営の短所の第一は、会社側はわれわれのものという意識が強すぎて、外部からの牽制が効きにくいという問題である。内輪の論理が優先され、外部の利害関係者の声が軽視されるという問題である。会社の常識は社会の非常識という問題を生み出してしまうのである。

これとかかわっているのは、日本企業に存在する閉塞感である。息が詰まるような雰囲気といってよい。会社へのコミットメントが強すぎ、しかも内部に一体感があるために、集団から目に見えない圧力が存在しているのである。日本の社会では、いやなら辞めるという選択の機会が限られているために、この圧力から逃れることは不可能ではないにしても、難しいのである。

もう一つの短所は、非連続的な変化を起こしにくいという短所である。会社が株主のものということになれば、企業の買収や合併を行うことは容易である。しかし、会社は従業員のものよいう意識のもとでは、合併や買収にさまざまな制約がでてくる。このような大胆な意志決定を日本企業のなかですることは難しい。その結果、世の中の急速な変化に対応して企業を変えていくということが難しくなる。雇用保障を行うのがいいことだという意識も、急激なリストラクチャリングを難しくしている。日本企業は連続的な変化に適応するのは上手だが、非連続な変化への適応は苦手だといえるかもしれない。

最後の欠点は長期的な視野から見るとまた、各面ではさまざまな非効率が温存されてしまうという危険である。短期的な利益をもとに判断すると、理屈も通りやすい。しかし、長期的な視野というと、なにもかもが正当化されてしまう危険がある。とくに、仲間意識が強すぎる場合には、企業が仲間しクラブのようになってしまう。この場合には、外部からの圧力が必要になってくる。

日本的経営の功罪を問わず、月日が経つにつれて「グローバル化」が今の日本企業の経営課題になっていた。しかし、日本と一番近いアジア全域の多くの企業や事業家が一番いらだつのは、日本企業が外国企業との連携もしくは合併事業、あるいはその両方の重要性を強調しているにもかかわらず、日本企業は実際に自らの技術を供与したり、公開するのを拒んでいる。ハイテクでもなく商業的にも重要ではない場合にさえ日本企業は自社技術の取り扱いの点で閉鎖的であるというイメージもある。単なる製造、組み立ての下儲けから脱皮して日本企業と関わろうというアジア企業の意欲を削いでいる。一方、日本企業は海外の役員を選ぶにあたって、自国民しか信用しないという信仰が行き渡っている。外国人がトップレベルの地位にある場合でも、当然ながら日本人が背後で実質的な権限を握り、現地の外国人の行動が気に入らなかった場合に直ちに拒否権を行使したりする。このため、合併企業を組む上で強力な戦力となる優秀な外国人の人材がいても、日本企業に気に入ったのでは出世は望めないと考えて入社をためらうことになる。以上の原因も含めてグローバル化になった今、アジアからまた、欧米から見ても伝統的な日本企業には多少マイナスイメージを持っている。

グローバル化に直面しなければならない今、日本企業が伝統の優勢を生かしながら、偏見のないフラットな視点で世界を見渡しオペレーションをデザインできる多様性に重視すべきである。そのベストプラクティスを見ると、多くのグローバル企業で本社所在地の国籍に固執せず、経営陣を多国籍化し、各地域のオペレーションに現地のマネジメント人材を登用した上で、各地域からのフィードバックを経営に反映させる仕組みが取り入れる。機能別、事業部べつに整理された大きなグローバル規模の組織との統合の場合、多様性を保ちながら最大限の統合シナジーを獲得するということが大事である。

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