慣用句における日本語と中国語の「足」の意味をめぐって
2015-02-27徐春波
徐春波
(吉林省四平市第三高级中学校 吉林四平 136001)
慣用句における日本語と中国語の「足」の意味をめぐって
徐春波
(吉林省四平市第三高级中学校 吉林四平 136001)
日语和汉语里都有"惯用语",关于人体的惯用语比较突出。本文只是将日、汉语中关于"足"的惯用语在意义、表现形式、构成形式上的相同点和不同点作以比较。
惯用语 足 意义 表现形式
日本語と中国語は別々の言語体系に属する、この二種類の言葉の中で関連する面もあるし、相違する面もある。だから、この文章の中で慣用句における日本語と中国語の「足」の意味をめぐって、その主な用法を探ってみようとするものである。
一、慣用句というのは何か?
慣用句というのは一般的には二つ以上の語や文節が固く結合して、その一続き全体が個々の意味の和と異なる単純な意味を表す連語を指す。その特徴は意味の単純性と構成の緊密性、大衆化の言葉、比喩が多い事、謎めいたようだ。
その慣用句は中国語に訳せば、「成語、熟語、慣用連語」という。簡潔、大衆化、意味が深い、定型的だなどの特徴を持っている。
二、「足」の日本語と中国語の意味
足(脚) 読音:あし(訓読) キャク(音読)
日本語におけるその意味:
①動物の胴から、下(先)に分かれて、伸びた部分。体全体を支えたり、これを使って体を進ませたりする役をなす。[狭義では、足首から先の部分、すねに対して直角に曲がる部分を指す。]◆?をいれる。?を出す。
②台を支える部分。◆机の?。 ③歩くこと。◆?が早い。
④かけ(て来)ること。◆?が遠のく。⑤[こねた時の粉やもちの]粘り。
中国語におけるその意味:
足(一)(1)脚;腿。(2)器物下部形状象腿的支撑部分。
(二)(1)充足,足够。(2)够得上某种数量或程度。
(3)足以(多用于否定式)。
このように「足」の日本語と中国語の意味から見れば、「足」は日本語も中国語も「脚、腿」という意味を持っている。しかし、その相違点がある。日本語には③④⑤の意味を持って、中国語にはないが、中国語には「足」は「十分、足りる」という意味を持っている。日本語にはない。
三、日本語と中国語の中で「足」に関する慣用句の意味と形式について
?日本語と中国語の慣用句の意味が同じで、そして相対応である。
ⅰ抜き足差し足/蹑手蹑脚
日:抜き足と差し足で、音のしないように歩くこと。
◆抜き足差し足でガラス戸へ近寄ると、カーテンの隙間へ片目をあてがった。
中:蹑手蹑脚——形容走路时脚步放得很轻。
★她蹑手蹑脚地走过去,吓了同桌一跳。
ⅱ馬脚を表す/足を出す/露马脚。
日:とりつくろっていた正体が現れる。
◆その汚職事件は土地の売買の件でした馬脚を表したのだ。
中:露马脚——比喻无意中露出真相。
★说谎早晚总要露马脚。
ⅲ足も空/手忙脚乱
日:てんてこまい(する)。
◆息子が交通事故だと聞いて足も空に病院へ駆けつけた。
中:手忙脚乱——形容做事慌张,忙乱,没有条理。
★我手忙脚乱地把屋子刚收拾完,她就领着人走进屋里来了。
ⅳ手足を置くところなし/手足无措
日:手足の置くところを知らず、取り乱して、どうしてよいかわからない。
◆授業中で、彼は急に先生から名を呼ばれて手足を置くところなし、立っていた。
中:手足无措——手脚都不知该放在哪好了,形容慌张得不各如何是好。
★上自王后,下至弄臣,看见这情形,都不由觉得手足无措。
このような慣用句は、その「足」の意味は日本語でも中国語でも変わらない。そして、日本語には「足」にかける慣用句は中国語にはその慣用句に対応して「足(キャク)」に関する慣用句を見付けることができる。
?中国語には「足」に関する慣用句は日本語に訳せば、その慣用句は「足」と関係がなくなる。次はこの二種類の言語を対照しながら、いくつかの例文を見てみよう。
ⅰ.一失足成千古恨
中:失足指失脚,比喻堕落或犯严重错误,比喻一旦犯了严重错误或堕落,就成为终身的恨事。
★这姑娘爱慕虚荣,禁不住别人的诱惑,一失足成千古恨,终于铸成了大错。
日:一期の不覚、地欲は壁一重。
ⅱ.千里之行,始于足下。
中:一千里的路程是从迈第一步开始的,比喻事情的成功都是由小而大逐渐积累的。
★任何事情都要从一点一滴的小事开始做起,古人说:“千里之行,始于足下”是很有道理的。
日:五重塔も下から組む
◆五重塔も下から組むというから、こつこつやっていかなければならない。
ⅲ.百足之虫,死而不僵。
中:用以比喻人虽死去,他的势力或影响仍然存在。
★钱家虽然没落了,但百足之虫,死而不僵,那仅有的一点点家私也足以使他们悠哉游哉地过活。
日:古川に水絶えず
?その慣用句の意味が同じであるが、その表現形式が違う
⑴足を洗う。
日:よくない仕事を止めたり、悪い生活態度を改めたりする。
◆もう悪いことはいたしません、今日かぎり足を洗うことにしました。
中:洗手不干。
★这个利欲薰心的投机倒把分子,怎么肯洗手不干,就此罢休呢?
⑵足騒ぎが取れない。
日:もがいても自由に動けない、また苦しい立場におちいり、そこから抜け出そうとしても方法や手段がなくて、どうすることもできない。
◆こうなった以上、もう足騒ぎが取れなくなったから、どうか助けてくれたまえ。
中:束手无策
★王刚正在束手无策的时候,得到二位老师的帮助。
⑶手取り足取り。
日:細かいところまで、相手によく理解させるように丁寧に教える様子。
★手取り足取りして親切に教える。
中:手把手地
★多亏假期里他手把手地教我扎风筝,终于能独自扎成了。
このように、日本語と中国語の慣用句は意味は同じであるが、その表現の形は違う、日本語には「足」からできた慣用句は中国語には「手」になる。
四、日中の慣用句の構成の形式について
日本語のに関する慣用句から見れば、動詞慣用句が全体の半分以上を占めている。その中でも「NヲV」の形式が最も多く、他はほとんどが「NがV」「N=V」の形式である。形容詞慣用句と副詞相当の慣用句もあるが、さほど多くない。そして、形式の上から見れば副詞相当の慣用句は動詞慣用句からの転成と見做すことができよう。
中国語には一般的に四つの文字の慣用句である。構成形式と言えば「并列词组」、「偏正词组」、「主谓词组」、「动宾词组」などがある、その中で「并列词组」が最も多い。
とにかく、に関する慣用句は日本語と中国語には意味の上相対するものもあるし、意味と形式の上相対するものもある。対訳する時、必ず注意しなければならない。そして、日本語の慣用句も中国語の慣用句も簡単に地面だけから受け止めてはいけない。
《新明解国语辞典》