日文提要
2018-01-23
『東南文化』2018年第4号主な論文の要旨
1.我が国において個人の不動産文化財の所有権限の制限と賠償について(張国超)
要旨:個人の不動産文化財の所有権は合理的に制限されてもよい。が、我が国の<文物保護法>において個人の不動産文化財の所有権は制限されている。個人は文化財保護のために犠牲になっているが、政府がそれによる損害賠償をするべきだ。我が国の<憲法>と<文物保護法>において財産所有権制限されることによる損害と個人の不動産文化財所有権制限されることによる損害についての賠償に関する規定がない。文化財所有者に文化財保護活動に積極に参加させるため、<憲法>と<文化財保護法>を修正する際に所有権制限による損害につていの賠償条例を作るべきだと提言したい。
キーワード:個人の不動産文化財 文化財所有権 文物保護 制限 賠償
2.広西北部湾地区における宋代窯跡調査(四川大学考古学系 広西文物保護与考古研究所)
要旨:2016年8月から12月にかけて、四川大学歴史文化学院考古学系が広西文物保護与考古研究所と共同で、広西北部湾地区における宋代窯跡を調査した。桂平市羅秀偉窯と北流嶺垌窯そして浦北土東窯は時代的に前後相続の青白磁を生産する窯だとわかった。これらの窯は広西において異なる時期に青白磁の生産技術をよく示した。蒙圩順東窯は広西において宋代青磁窯の分布に新たな資料を提供した。今回の調査は広西地区宋代陶磁器考古研究に新しい資料を提供し、陶磁器輸出と地域間の文化交流の研究にも役に立つ。
キーワード:宋代 北部湾地区 窯跡 蒙圩順東窯 羅秀偉窯 北流嶺垌窯 浦北土東窯
3.江蘇省蘇州謝家墳元明朱氏家族墓発掘報告(蘇州市考古研究所)
要旨:2010年6月、蘇州市考古研究所は江蘇省蘇州市姑蘇区謝家墳土墩に緊急調査を行った。漢代から清時代までの墓が三十基検出された。中に、三組の夫婦合葬墓が元か明時代の朱氏家族墓だと分かった。墓から墓誌、印鑑、土製礼器などが出土した。これらの墓は蘇州地区において元と明時代の葬送儀礼の研究に貴重な資料になる。
キーワード:元 明 蘇州 墓葬 土製礼器 墓誌 陰陽学
4.張謇の博物館創立思いの大学博物館への啓示(黄洋 趙荦)
要旨:張謇が創立した南通博物苑は中国おいて最も古い大学博物館の一つで、その目的は、通州師範学院の教育、またほかの学校の教員と学生そして社会にサービスをすること。張謇は全面に収蔵品を買い求め、長く利用できるように博物館をよく管理すると主張した。張謇の博物館創立思いは当面大学博物館が直面している問題の解決に役に立つ。世界一流の大学博物館を造ることは“双一流”大学を創る推進力になる。大学博物館はまず学校の教育と研究にサービスをし、宣伝方式も新たに考案し、公衆にサービスをするべきだ。
キーワード:張謇 南通博物苑 定位 学校教育 大学博物館 双一流 公衆サービス
5.“インターネット+博物館”システム採用に影響を与える要素について(周蕊高震梁乙凱練潔)
要旨:博物館に“インターネット+博物館”システムを採用させるために、“インターネット+博物館”システム採用に影響を与える要素とその作用を認識すべきだ。本研究は技術―組織―環境と双要素理論に基づいて“文物山東”システム建設を例にし、インターネット技術、博物館組織、外部環境と制度など角度から、“インターネット+博物館”システム採用をさせる推進要素と抑制要素を探す。研究結果は、“インターネット+博物館”システム採用か否かは、多機能性、インターネット効果、利用しやすい、安全性、高層支持、政府重視と政策企画、予算資金不足、上層設計と基準欠乏、博物館事業発展、公衆需要、業界知的財産保護と制限など要素に影響される。本研究は“インターネット+博物館”システムの建設の推進に管理対策を提示した。
キーワード:インターネット+博物館 組織採用 TOE枠組み 双要素理論