2016年『東南文化』第2号主な論文の要旨
2016-02-03
2016年『東南文化』第2号主な論文の要旨
1.福建武夷山市葫芦山遺跡2014年度発掘簡報(福建博物院アモイ大学歴史系考古学専攻武夷山市博物館)
要旨:2014年度における葫芦山遺跡の再調査によって、新石器時代晩期から殷周時代までの集落址が検出された。第一期において土器を焼く窯が保存状態がよく、約bp5000年に当たり、我国東南地区における同時期の考古学文化に見られない完成する遺構だ。第二期において灰坑と灰溝と穴址が大量に検出され、炭化した植物遺存体も豊富だ。今回の調査は福建北部地区崇陽渓流域における古代文化と古代生業の研究に役立つ。
キーワード:福建武夷山葫芦山遺跡新石器時代青銅時代
2.江蘇邳州梁王城遺跡西周墓地発掘簡報(南京博物院徐州博物館邳州博物館)
要旨:梁王城遺跡は江蘇省邳州市は戴荘鎮李圩村西即ち京杭大運河東岸に位置し、山東省に隣接する。調査によって、西周墓は71基検出された。獣坑は12基、内訳、馬坑12基、犬坑1基。墓は竪穴土坑墓で、木棺がある可能性が高く、腰坑が若干検出された。21の墓から典型的な土器が出土した。副葬品の組み合わせは二種類があり、一種類は単に鬲、もう一種類は鬲と簋と豆と罐(罍)の組み合わせ。墓の形と副葬品の特徴から見ると、これらの西周墓は殷墟文化からの殷遺民の墓だ。
キーワード:江蘇邳州梁王城遺跡西周竪穴土坑墓殷遺民殷墟文化周式鬲
3.福建漳平奇和洞遺跡の骨製品について(範雪春)
要旨:奇和洞遺跡は福建省内に第三回の遺跡踏査を実施した際に、見付かった遺跡の1つ。洞窟内に晩更新世末期から全新世早期までの堆積層がある。堆積層から骨製品が69点見付かり、中に新石器時代早期のものが66点数える。これらの骨製品の統計と観察によって、骨製品の製作過程は以下の通り:道具の機能に応じる骨を選び、叩き、荒い割、整形、研磨。時の流れに伴い、骨製品が数が増え、製作技法も徐々に改善してきた。骨製品の出現は人類の道具改革において一里塚になり、人類が食物を獲得する新しい手段になる。
キーワード:奇和洞遺跡旧石器時代から新石器時代への転換期新石器時代早中期骨製品磨製製作技法
4.解釈システム:博物館展示伝播効果を強化する新しい模索について(周婧景厳建強)
要旨:当面、中国大陸における博物館は展示の建設に共通性の問題に遭い、即ち博物館の展示品の物についての研究は弱い。観衆の認知と学習行為に関する認識不足で、観衆と展示との繋がり役を担当する伝播技術の把握不十分によって、展示の解釈は不十分で、伝播の目的が実現できなくなった。物、人、仲介の三者はそれぞれ孤立したものではなく、伝播の目的を実現させる不可欠の重要な部分だ。よって、物の意味、観衆の認知と学習行為、そして両者の対話を実現させる伝播技術についての研究をするだけではなく、それらを融合させ、システムの視点からこれらの問題を検討し、効率的な解釈システムを作る必要がある。そうすると、これは博物館展示の伝播効果を改善させる新しい方法になる。
キーワード:博物館展示解釈システム伝播観衆研究モノの研究
(翻译:黄建秋)