帰郷
2013-08-15谷川俊太郎
中学生 2013年30期
帰郷
谷川俊太郎
私が生まれた時
私の重さだけ地が泣いた
私は少量の天と地でつくられた
別に息をふきかけないでもよかった
天も地も生きていたから
私が生まれた時
庭の栗の木がちょっとふり向いた
私は一瞬泣き止んだ
別に天使が木をゆすぶった訳でもない
私と木と兄弟だったのだから
私が生まれた時
世界は忙しい中を微笑んだ
私は直ちに幸せを知った
別に人に愛されたからでもない
私は只世界の中に生きるすばらしさに
気づいたのだ
やがて死が私を古い秩序にくり入れる
それが帰ることなのだ
【译文】
归乡
谷川俊太郎
当我出生之际
仅仅因为我的重量
大地曾哭泣
而我是由少量天、地组成的一体
我可以不呼吸
因为活着的有天空和大地
当我出生之际
院中的栗树蓦然回首
我霎时停止哭啼
并非是天使将树木摇曳
而是因为我和树木曾是兄弟
当我出生之际
世界在忙碌中露出微笑
我立刻懂得了温馨
这并非是因为我讨人喜爱
而是我觉察到生在这个世界上的欣喜
终有一天
死神会把我编入陈旧的秩序
而那是我回归故里